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【コラム】“まちづくり”って面白い! <第6回> 空き家の利活用による新たな“まちづくり”

 

近年、「空き家」の増加が社会問題になっています。全国的にはこの30年間で2倍以上に増加しているそうで、放置された空き家は保安上危険な状態となるばかりか、市民の生活環境に悪影響を及ぼし、地域の防犯性の低下にもつながってしまいます。

 

三鷹市では平成29年度と令和4年度に空き家の実態調査をおこなっています。件数が771件から608件に減少していることから、地方とは異なり一定程度の物件は不動産市場に出回っているものと想定しています。それでも、両調査時点をまたいだ長期間の空き家が310件確認されましたし、いわゆる空き家“予備軍”といわれるひとり暮らしのご高齢の世帯も増加にありますので、早急に対策を考えなくてはならない行政課題であると認識しています。

 

空き家問題の解決は、「増やさないこと」「適正に管理してもらうこと」「利活用すること」の3つの視点が重要になります。市としてもそのための啓発や支援に取り組んでいますが、さらに一歩を進め、積極的な「利活用」の観点からの事業展開も真剣に考えていく必要があります。そこで今検討を進めているのが、物件ごとにテーマを設定し、福祉系や芸術系など専門分野ごとの学生、あるいは姉妹市町から上京してきた学生のシェアハウスとして利用し、そこを拠点に入居学生が地域に向けて教室を開催する、あるいは故郷のアンテナショップを運営するというような仕組みがつくれないかというものです。その延長で入居学生に住民協議会や町会・自治会の活動にも積極的に参画してもらうことができれば、地域コミュニティの新たな活性化につながっていくはずですし、行政サービスとして取り組む意義も見いだせるものと思います。

 

もちろん、そのためには、継続的に空き家状態となっている家屋のどこに課題があるのかをしっかりと把握した上で、居住権などの法的な課題の整理やトラブルの事前防止のための仕組みづくりなど、関係者間での様々な調整が必要です。所有者、市、第三セクターなど様々なプレーヤーがどのような役割を担い、どのように管理運営に関わっていくのかを含め、できるだけ早く事業全体の枠組みをつくり上げていきたいと思います。

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