政策


皆さまとつくりたい三鷹の新時代

皆さまのご支援によって平成31(2019)年4月に市長に就任してから、もうすぐ4年が経過します。
この間、コロナ禍という未曽有の事態の中、私は市民の皆さまの命と暮らしを守ることを最優先に、きめの細かい感染症対応に取り組んできました。PCRセンターの設置、ワクチンの円滑な接種、市内病院でのコロナ病床の確保、自宅療養者相談支援センターの設置、中小事業者や介護事業者等の経営支援、小中学生への学習用タブレット端末の配備、三鷹市感染症対策アドバイザーの任命など、約360億円の財政出動によって、350件に上る対策や支援を実施してきています。
その一方で、未来のまちづくりに向けた施策も一歩一歩着実に進め、今、その多くがカタチになりつつあります。
これまでの行政経験と今回のコロナ禍の経験から、これからの市政運営は、「計画性をもった施策の推進力」と「柔軟性をもった緊急時の対応力」の両方を兼ね備えることが必要であるとの思いを強くしています。

 

この4年間で育んできた芽を丁寧にしっかりと実らせていくため、皆さまのさらなるご協力と応援をお願いいたしたく、これからの私の取組みを、「高環境」「高福祉」のまちづくりに向けた10の施策に沿ってご紹介します。
コロナ禍という長いトンネルからの出口に到達した今こそ、新たな時代に向けた魅力あるまちづくりを再始動させます。

 

~「高環境」「高福祉」のまちづくりに向けた10の施策~

1 「平和・人権」のまちづくり
2 「活力・にぎわい」のまちづくり
3 「快適空間」のまちづくり
4 「防災・安全安心」のまちづくり   
5 「環境・循環」のまちづくり 
6 「健康・福祉」のまちづくり
7 「子ども・教育」のまちづくり
8 「生涯学習・スポーツ・文化」のまちづくり
9 「コミュニティ・参加と協働」のまちづくり
10 「都市経営・自治」のまちづくり

1「平和・人権」のまちづくり

すべての人々が安全で健やかに、そして心豊かに生活していくための基盤は平和です。三鷹市では、戦争や紛争がない状態だけではなく、貧困、飢餓、差別、地球環境などの問題にも目を向けた「積極的平和」の施策を推進しています。
昨年2月に勃発したロシアによるウクライナ侵攻は、平和の大切さを改めて認識させるものでした。三鷹市でも、市内の都営住宅などでウクライナからの避難者が生活していることから、日本語の学習や一時金の支給などのきめの細かい生活支援に取り組むとともに、市民の皆さまにウクライナのことを知り、理解していただくためのイベントや講座などを開催しています。引き続き、戦争が平和裏に終結するまで、こうした支援を続けていきます。あわせて、恒久平和の実現に向け、基礎自治体ならではの草の根の広がりのある活動をこれまで以上に積極的に進めていきます。

 

平和の希求とともに、今なお残る男女の格差の解消、さらには性的少数者や外国籍市民など生きにくさを感じている人々を含めたすべての市民が、お互いを尊重し合いながら自分らしく生活できる風土を創っていくことも大切です。そのため私は、「人権基本条例(仮称)」の検討を開始しました。すでに、当事者のご意見をお伺いし、市民の皆さまによるワークショップを開催するなどの取組みを進めており、令和6(2024)年3月の制定を目指しています。人権を尊重するまちづくりの指針となるよう、今後も市民の皆さまとの議論を深め、多くの方に共感していただける条例としていきます。
なお、「平和・人権」のまちづくりの拠点施設として「多文化共生センター(仮称)」の設置に向けた検討も進めています。様々な価値観や背景をもつ市民がお互いに理解し合い、共に生きていくための「交流」「理解」「支援」の場として、三鷹駅の再開発事業の中で新たな施設を設置します。

 

人権基本条例の制定に向けた市民ワークショップ

2 「活力・にぎわい」のまちづくり

 
私の政策の一丁目一番地は、三鷹駅南口中央通り東地区の再開発です。この事業の成功が、三鷹のまち全体の躍進のカギを握るとの強い思いで、コロナ禍という制約に見舞われながらも、地元地権者との交渉やUR都市機構との調整に努めてきました。そしてこのたび、地区を複数のエリアに分けて段階的に整備を行う手法で事業を進めることとしました。これによって、地元の皆さまの生活の安定や商業活動の継続、駐車場・駐輪場の確保などといったまちの機能を維持しながら速やかに事業に着手することが可能になります。「子どもの森」をコンセプトとした活力とにぎわいの創出に向け、三鷹のまちの玄関口、市内から多くの人が集うエリアにふさわしい再開発を鋭意進めていきます。
市の東の玄関口である三鷹台駅周辺の魅力向上も、活力とにぎわいのあるまちづくりに向けた重要な取組みです。現在、駅前広場の整備工事を進めており、バスのロータリー等が令和5(2023)年12月に完成します。引き続き、地域の皆さまを始めとする多くの方々とともに駅周辺の将来像を描き、早期にまちづくりのビジョンを打ち出していきます。

 

そして、まちの活力を持続可能なものにしていくためには、地域経済の活性化、産業の振興が欠かせません。
先の選挙で皆さまにお約束した、市内産の農産物の学校給食での積極的な活用については、使用率を、令和元(2019)年度の8%から、令和4(20220)年度には21%にまで向上させました。都市農業の振興に加え、子どもたちの食育の観点からも、更なる使用率の向上を目指すとともに、姉妹市町の農産物や特産品の使用なども検討していきます。
商工業の振興に関しては、事業者の皆さまが「事業の継続」「経済と環境の好循環」「デジタル化」などに取り組む際の助成制度を改善して利用しやすくするとともに、チャレンジする人を応援する創業支援、商店会の販売促進やにぎわい創出の支援、昨今の物価高騰に対応するための支援にも、きめ細かく取り組んでいきます。

 

三鷹駅南口中央通り東地区再開発の将来イメージ

<三鷹駅南口中央通り東地区再開発の将来イメージ>

3 「快適空間」のまちづくり

それぞれの地域の特性を生かした快適なまちづくりは、三鷹市全体の魅力を底上げし、市民満足度の向上にも大きく寄与します。
そのための重点事業に位置づけているのが、国立天文台と連携した大沢地域の新たなまちづくりです。天文台の森を保全・再生して次世代につなぐことを軸に、浸水予想区域内にある羽沢小学校を天文台敷地内に移転して児童の安全と地域の防災力の向上を図るとともに、移転後の小学校跡地に商業施設を誘致して買い物環境を改善するなど、まちの利便性と魅力の向上に向けた取組みを進めます。
井口地域では、売却の方針であった井口特設グラウンドを、「防災」「医療」「スポーツ」の拠点として再整備します。平常時の地域医療体制の確保や感染症のまん延などを見据えた市内病院の移転誘致、災害時に一時避難場所ともなるスポーツ施設の整備、まちの利便性を高めるための東西通路の確保などによって、新たな地域の拠点づくりを進めます。

 
快適なまちづくりの基盤である道路については、東八道路沿道の市内全区間を、街路樹と歩道が一体となったにぎわいのある緑化空間としていくためのガイドラインを策定しました。一方、東八道路の東側の区間では、区部の都市計画道路との接続によって利便性は高まったものの、交通量の増加や生活道路への車両の流入などの課題が生じています。これまでも、面的な速度規制である「ゾーン30」の導入やポストコーンの設置などの安全対策を実施してきましたが、引き続き、東京都や三鷹警察署等の関係機関と連携し、地元の皆さまに寄り添った対応を進めていきます。

 
こうしたまちの基盤整備と合わせ、便利で快適な市内交通のネットワークづくりにも力を入れています。井の頭地区と大沢地区で、小型EVバスやAIデマンド交通の実証運行を開始しましたが、その成果を踏まえながら、高齢者等の外出促進も視野に入れた「バス・コミュニティ」を創出していきます。

 

井の頭地区で実証運行中の小型EVバス

<井の頭地区で実証運行中の小型EVバス>

4 「防災・安全安心」のまちづくり

 
令和2(2020)年3月に取りまとめた「第4次三鷹市基本計画(第2次改定)」で、私は、すべての施策に通底する理念として「質の高い防災・減災のまちづくり」を掲げました。
度重なる地震や異常気象による大規模な自然災害に対し、近年、「共助」の大切さが改めて認識されています。そのため令和4(2022)年9月、「共助」をネットワーク化し、地域の防災活動を充実・強化していく中核組織として「Mitakaみんなの防災」を立ち上げました。令和5(2023)年2月にはNPO法人として正式に認証を受け、防災意識の啓発、防災人財の育成、防災活動団体の支援、そしてこれらの活動をつなぐ地域防災のネットワーク化を積極的に進めています。

 
市民の命と暮らしを守るため、基礎自治体が「公助」の取組みに全力を注ぐべきことは言うまでもありません。災害時に避難所となる学校やコミュニティ・センターについては、令和4(2022)年12月に策定した「新都市再生ビジョン」に基づき、適正な保全や更新に努めていきます。
災害時に避難が困難な高齢者・障がい者などの支援も、市の重要な責務です。令和4(2022)年度から、浸水や土砂災害の危険性の高い地域にお住まいで災害時に支援が必要な方の「個別避難計画」の作成を進めています。ケアマネージャーや障がい者相談支援員などのご協力をいただきながら、令和7(2025)年度までに約1,000人分の計画を作成します。

 
防災とともに、犯罪被害の防止も重要な取組みです。特殊詐欺被害が後を絶たない中、市民の皆さまの安全な生活のため、高齢者への自動通話録音機の貸与を拡充し、更なる普及を図ります。

 
また、昨今社会問題となっている空き家に関しては、適正管理の推進や管理不全の予防に向け、所有者への積極的なアプローチと啓発に努めるとともに、地域の活性化やコミュニティの拠点としての空き家の活用方策についても検討を進め、モデル事業に取り組みます。

 

自動通話録音機

<自動通話録音機>

5 「環境・循環」のまちづくり

 
環境問題は地球規模の大きな課題となっています。これを他人事として捉えるのではなく、三鷹市も、自然環境と生活環境が調和した良好なまちづくりに向けて、基礎自治体ならではの先導的な役割を果たしていくことが必要です。
令和4(2022)年10月、大気環境の保全意識を高めるために「第34回 星空の街・あおぞらの街全国大会」が三鷹市で開催されました。私は大会のテーマを「100年後の地球~今、私たちにできること~」とし、これをきっかけに、改めて地球環境の保全に向けて基礎自治体として何ができるのかを、市民の皆さまとともに考えていくこととしました。
そして、同年12月には、未来を担う次世代に豊かな自然を貴重な財産として引き継いでいくため、「三鷹市ゼロカーボンシティ」を表明しました。この宣言を実りあるものとしていくため、啓発活動はもちろんのこと、公共施設への太陽光パネルの設置、温暖化対策設備を設置する開発事業者への支援、屋上や壁面緑化に対する助成制度の創設など、市民の皆さま、事業者の皆さまとともに、まち全体の脱炭素化を進めていきます。

 
循環型社会の形成に向けては、調布市と共同で設置しているふじみ組合で、新たなリサイクルセンターの整備が本格化します。周辺住民の皆さまのご理解とご協力をいただきながら、令和9(2027)年度の稼働を目指します。
水循環の基盤である下水道は、昭和48(1973)年に全国に先駆けて普及率100%を達成してから約50年が経過し、施設や設備の老朽化が課題となっています。これをできるだけ長寿命化していくとともに、地震や豪雨などの災害に備えた整備・改良にも努め、いつでも安心して利用できるライフライン機能を確保していきます。あわせて、東京都の流域下水道への編入など、将来にわたり安定した都市基盤を維持していくことができるよう、関係機関との協議・調整に鋭意取り組みます。
 

長寿命化を進めている東部水再生センター

<長寿命化を進めている東部水再生センター>

6 「健康・福祉」のまちづくり

 
65歳以上の人口が全人口の21パーセントを超える超高齢社会にあって、いわゆる老々介護や孤独死、介護人財の不足、8050問題など、様々な社会課題が顕在化しています。こうした中、これからのまちづくりは、かつて家族が担っていた役割を社会化し、地域の中で支え合う仕組みを創っていくことが必要です。
そのための一つの方策として、社会的孤立や生活の困窮、介護などの課題に総合的かつ継続的に対応していけるよう、三鷹市社会福祉協議会と連携しながら、地域福祉コーディネーターの拡充を進めています。令和7(2025)年度中には、各コミュニティ住区への配置を完了し、地域包括支援センターや住民協議会などとも連携しながら、一人ひとりの生活をきめ細かく支える体制をつくります。

 
先の選挙で皆さまにお約束した、旧市立特別養護老人ホームどんぐり山の施設活用については、これからの在宅医療・介護を見据えた新たな施設「福祉Laboどんぐり山」としてリニューアルすることとしました。「デジタル技術等を活用した在宅医療・介護の研究」「公的な介護の担い手のスキルアップや家族介護者の支援等の人財育成」「老人保健施設や病院から在宅復帰を目指す高齢者等のリハビリテーション」の3つの機能をもつ施設として、令和5(2023)年12月のリニューアルオープンに向けた整備工事を進めています。

 
心身に障がいがある方に対しては、それぞれに応じたきめの細かいサポートが必要です。医療的ケアが必要な子どもたちの保育や教育環境の更なる向上を図るとともに、三鷹市、府中市、調布市の三市共同で、重症心身障がい者や強度行動障がい者等の生活介護・短期入所施設を、調布基地跡地に整備します。

 
地域医療に関しては、これまで市内各所に分散していた休日・夜間の診療所や小児初期救急診療所、歯科診療所、調剤薬局の一体的な整備が完了し、「三鷹市休日・夜間 診療所・薬局」として令和5(2023)年3月から運営を開始しています。
 

整備が完了した休日・夜間の診療所と薬局

<整備が完了した休日・夜間の診療所と薬局>

7 「子ども・教育」のまちづくり

 
良好な子育ての環境づくりや学校教育の更なる充実など、子どもの笑顔が輝くまちづくりは、未来への投資です。まちの活力を持続可能なものにするために、積極的な取組みを進める必要があります。
先の選挙で皆さまにお約束した保育園と学童保育所の待機児童ゼロは、令和4(2022)年4月に達成しました。引き続きこれを維持していくことができるよう、環境整備に取り組んでいきます。
また、保護者の皆さまの負担を少しでも軽減できればと、小中学生と高校生世代の医療費の無償化を段階的に進めています。すでに中学生までの所得制限を廃止するとともに新たに高校生世代の助成をスタートさせているところですが、令和5(2023)年10月からは、通院時の一部負担金も撤廃し、子どもたちの医療費の完全無償化を実現します。

 
学校教育に関しては、三鷹市が早くから取り組んできた「小中一貫教育」の次のステップとして、「学校3部制」の実現に向けた実践を進めています。市立小中学校の施設利用を時間帯で区分し、第1部を「学校教育の場」、第2部を「子どもたちの多様で豊かな放課後の場」、第3部を「市民の生涯学習・スポーツ・地域活動の場」とし、学校を核とした「スクール・コミュニティ」をつくります。
子どもたちが楽しく安全に過ごせる放課後の居場所づくりとして、各小学校で実施している「地域子どもクラブ」を順次毎日型に拡充しており、引き続き、学童保育所とも連携しながら、活動の質の向上と効率的な運営に取り組んでいきます。また、地域の皆さまに向けた夜間の時間帯の講座やイベントなどもモデル的に実施します。

 
なお、昨今の子どもを取り巻く環境には、いじめや不登校、貧困、ヤングケアラーなど、様々な課題が山積しています。そのため、各種の相談や支援の拡充と合わせ、子どもの人権を尊重するまちづくりの指針となる条例の制定を検討していきます。
 

新たに増設整備した三小学童保育所

<新たに増設整備した三小学童保育所>

8 「生涯学習・スポーツ・文化」のまちづくり

平成29(2017)年4月にオープンした「三鷹中央防災公園・元気創造プラザ」は、耐震性に課題のあった社会教育会館や体育館などを「複合」化した施設ですが、それぞれの機能が有機的に連携しながら効果的で魅力的な機能を発揮するという点で不十分なところがありました。そのため、ハードとソフトの両面から「豊かな場づくり」「魅力的な場づくり」に向けた多角的な検討と実践を進めるとともに、施設の改善・改修にも努めてきました。こうした取組みを総括した上で、今後は、全館の「融合」をコンセプトとした事業展開によって各施設の利用者や職員の横連携を深め、さらに市民の皆さまに親しまれる魅力ある施設としていきます。

 
「文化の薫り高いまち」としての魅力向上に向けては、三鷹市美術ギャラリーへの「太宰治展示室」の設置や「太宰治文学サロン」のブックカフェ化、「桜井浜江記念市民ギャラリー」の開設、三鷹商工会と連携した障がい者芸術作品展の開催などに取り組んできました。現在は、市内で長年執筆活動を行っていた故・吉村昭氏の書斎を井の頭公園駅前に移築・再現するとともに、展示棟・交流棟を併設する整備を進めています。令和5(2023)年12月の開館を予定しており、これによって井の頭公園駅前を文化人顕彰事業の発信の場としていきます。

 
市民スポーツの振興については、スポーツを通した健康づくりの継続的で計画的な活動支援、健康ポイントの導入などにより、「心と体の健康都市づくり」を進めます。また、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会のレガシー事業の一環として、チリ共和国のパラリンピック選手団の事前キャンプを受け入れたことなどを踏まえ、障がい者スポーツへの理解促進など、スポーツを通した「多様性を尊重する共生社会づくり」を積極的に進めていきます。
 

吉村昭書斎の完成イメージ

<吉村昭書斎の完成イメージ>

9 「コミュニティ・参加と協働」のまちづくり

 
三鷹市は昭和40年代からコミュニティ行政に力を入れ、現在では地域福祉、多世代交流、防災など様々な市民活動が、7つの住民協議会をプラットホームとしつつ、町会・自治会と連携しながら展開されています。こうした環境こそ三鷹市の強みであり、更なる発展に向けた支援に努めていきます。
一方で、都市化に伴う人間関係の希薄化などにより、コミュニティを支える人財の不足という課題が顕在化しているのも事実です。まちの課題を「共助」と「協働」によって解決していくことができるよう、改めて市民の皆さまの絆を深め、地域の力を向上させていくことが必要です。
そのためのひとつのきっかけになればと、令和4(2022)年12月から試行を開始したのが、「みたか地域ポイント」事業です。ボランティア活動などに対する謝意をポイントという形でお伝えしつつ、市民活動への積極的な参加を促し、コミュニティの活性化につなげていければと考えています。まだ試行段階のため、ポイントは一部のボランティア活動に限定で、使途も景品との交換やスポーツ施設等の利用料金の決済にとどまっていますが、令和5年度からは、市内の店舗でも利用できるようにするなど順次拡充を図り、令和6(2024)年度からの本格実施を目指します。

 
なお、私が市長就任直後から検討を開始し、令和3(2021)年10月に設立した「市民参加でまちづくり協議会(愛称:Machikoe)」は、市民が市民の声を聞いて政策提案につなげていくことをコンセプトとした新たな市民参加の取組みです。担い手となるボランティを募ったところ、想定をはるかに上回る約400人の市民の皆さまにご参加いただくことができました。現在、メンバーの皆さまが、ワークショップやアンケートなどによって幅広い市民の声や想いを受け止めながら、政策提案をまとめてくださっています。これをしっかりと受け止め、将来のまちづくりに生かしていきます。

 

みたか地域ポイントアプリ

<みたか地域ポイントアプリ>

10 「都市経営・自治」のまちづくり

 
令和5(2023)年度から6(2024)年度にかけて、三鷹市では、市のまちづくりの理念・目標・方針などを示す「基本構想」と、その実現に向けた施策を示す「基本計画(第5次)」の策定を予定しています。ここで、今後10年以上の三鷹市の政策や施策を皆さまにお示ししていくことになりますが、その前提として、しっかりとした財政の見通しを立てることが必要です。
私は市長に就任してから、常に堅実な財政運営を心がけてきました。その結果、この4年間で、市の借金である「市債」の残高は大幅に減少し、市の預貯金である「基金」の残高は着実に増加しています。市長就任前の平成30(2018)年度の決算と令和4(2022)年度の決算見込みを比較すると、「市債」の残高は395億円から283億円へ112億円の減、「基金」の残高は146億円から166億円へ20億円の増となります。引き続き堅実な財政運営に努め、皆さまからお預かりした税金を質の高い行政サービスとして還元し、日々の生活の中でそれを実感していただけるよう努めていきます。

 
なお、市民生活の充実や市民活動の活性化、様々な地域課題の解決とともに、行政サービスの質の向上と自治体経営の効率化に、日々進化するデジタル技術は大きな可能性を持っています。そのため、「災害に強く安全安心なまち」「健康で快適な暮らし」「子育てしやすい環境」「参加と協働の推進」「身近でつながるまちの実現」をコンセプトとしたスマートシティの取組みを、デジタルに不慣れな方への支援と並行しながら進めています。これに加えて、市役所機能を分散ネットワーク化し、日常生活圏域の中で行政サービスの手続きが完結する仕組みの研究も開始しました。

 
今後も、都市経営の視点をもつ先進的な自治体として、未来に向けて進化し続ける「人間のあすへのまちづくり」を誠心誠意進めていきます。

 

ふじみ衛生組合の煙突から三鷹駅方面を臨む

<ふじみ衛生組合の煙突から三鷹駅方面を臨む>