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【コラム】“まちづくり”って面白い! <第5回> ワンチームの産業支援で元気な“まちづくり”

 

先ごろ大手企業での高水準の賃上げが報道されました。その一方で、果たしてこの勢いが中小企業にまで波及するのかという懸念の声も聞かれました。
 

中小企業は、戦後の日本の経済成長を支えてきた大切な存在です。しかし、コロナ禍や記録的な物価上昇に見舞われる昨今、賃上げはもちろん、近年の社会的な課題である働き方改革を実践するのも困難な状況にあるのではないでしょうか。事業所のほとんどが中小企業である三鷹市としては、こうした事態を打開する方策を真剣に考えていく必要があります。考えてみれば、時代に先駆けて市が支援に力を入れきたSOHO(Small Office / Home Office)も、一人ひとりが才能を生かしながら自分に合った働き方ができる一方、個人の力だけでは事業の継続と発展に限界があるのも事実です。
 

かつて、企業経営が拙くても破綻させず「落伍者を出さない」ための行政官庁のコントロール、いわゆる『護送船団方式』が批判の対象となりました。これはそのとおりだと思います。しかし、地域に目を転じると、個々の事業者の頑張りを前提としながら、「誰一人取り残さない」きめの細かい支援策によって市内の中小企業を守っていくことは、まちの活力の維持・発展に不可欠です。
 

そしてそのためには、個々の事業者の創意工夫を生かしながら、IT化の促進をはじめ、業種ごと、地域ごとに共通化・共同化できる業務をまとめるネットワークづくりの支援に、自治体が積極的に取り組んでいくことが有意義だと思います。このことによって生じる経営資源を、個々の事業者が、働き方改革や事業の更なる発展に振り向けることができれば、市内の中小企業の新しい未来が開けるはずです。
 

もちろん、こうしたネットワークが、『護送船団方式』のような閉鎖的で民間の活力を削ぐものになることは避けなければなりません。市内での創業を支援し、個性豊かな事業所の新規参入を受け入れながら、切磋琢磨しつつ協力しあう新しいワンチームの仕組みを三鷹市の中で構築し、それを全国に発信していくことができたら素晴らしいと思います。

【コラム】“まちづくり”って面白い! <第6回> 空き家の利活用による新たな“まちづくり”
河村孝後援会「政策」ページをリニューアルいたしました