コラム

【コラム】“まちづくり”って面白い! <第2回>「地方分権」とまちづくり

 

21世紀に入る前後から、地方分権改革が叫ばれるようになりました。国と地方が適切に役割を分担し、地域における行政は自治体が自主的かつ総合的に行うべきであるというのが基本的な視点だと理解しています。

 

これは、日本の社会を変える大きな力となることが期待されたものでした。しかし、目指すところと実態との間に乖離が生じてしまっているのではないでしょうか。市民の皆さんが日々の生活の中で、地方分権を実感するのは難しいと思いますし、三鷹市の市政運営に当たっても、分権改革がうまく進んでいるのかどうか、疑問を感じることがあります。その原因のひとつは、「自治」とは何かという根源的な議論が置き去りにされ、国と地方との間での事務の奪い合いと押し付け合いになってしまったことにあるように思います。

 

筧祐介氏の『持続可能な地域のつくり方」という本の中に、「本来、地域づくりとは住民も行政も関係なく、その地で暮らす人々が自力で、みんなでやること」であり、「住民、事業者、農家、行政、NPO、自治会、商工会、農協、学校などの個別の立場や組織を超えて、産業・環境・教育・医療・福祉・防災・まちづくりなどの領域を超えて、持続可能な地域の未来を実現するための活動」が必要だとのフレーズがあります。私は常々、「“オール三鷹”のまちづくり」ということを申し上げており、どこか通じるものを感じました。

 

「自治」とは、自らのことを自らが決定することです。決定を他に委ねるだけではなく、みずから参画し、行動することが肝要なのではないでしょうか。そして、こうした市民の皆さまの活動を行政がしっかりと支え、受け止める姿勢を持ち続けることが、それに劣らず大切です。

 

有難いことに三鷹市は、こうした意識をもった皆さん、まちづくりを面白いと感じて活動してくださる皆さんが多くいらっしゃいます。私としてはその輪をさらに広げ、足りないところはしっかりと支援させていただきながら、草の根の自治の実践の中から、表層的な分権改革ではなく、真の「地方分権」を実現していければと思っています。

 

皆さんとともに、三鷹のまちから日本の社会を変えていきましょう。

衆議院議員伊藤達也氏との対談会を開催します
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